柿の木に水やりをしているところを見たことがありますか?
今年は天気が悪かったので失敗しました!ごめんなさい!
毎年当園の柿を楽しみにしてくださっているお客さまのことを考えると、
こんなことは言えません……
農業は自然相手なので、どうしても天気によって左右されることがあります。
ですが、「天気次第」を克服するために、サカヤ農園ではさまざまな工夫をしています。
その一つが、水やりです。
サカヤ農園は水やりにこだわっています。
「柿に水なんか必要ないよ」
せっせと水やりをしているときに、通りかかったベテラン農家さんから
こう言われたことがあります。
ですが、私の考えは違います。
柿に限らず、果樹は昔から山の斜面に植えられてきました。
これは水源がなく、稲作に向かない土地を有効利用するためでした。
その結果、柿は水が必要ない植物と誤解されるようになったと考えています。
柿は根を地中深くにはる性質があるため、乾燥には耐えることができます。
しかし、本来は乾燥に弱い植物であることが明らかになっています。
柿の葉の蒸散量は植物の中でも特に多いという研究結果があります。
柿に水をやると……
ある夏の晴れた日。
日射量が多く、気温が上がるため、サカヤ農園の柿はぐんぐん成長します。
しかし、水分が不足すると、成長が止まってしまいます。
植物は光合成によって作られた養分を実に蓄えますが、柿は水不足になると
光合成が1/6に減ってしまうと言われています。
ある年の私の試算では、水やりが必要なほど乾燥している日数が60日以上ありました。
柿は春に芽が動き出してから収穫するまでに長い日数がかかります。
その間に光合成を活発にさせ、大きくて甘い柿を作るためには水やりがとても大切なんです。