甘柿と渋柿の違いとは?
2024/02/09
1. 渋みの正体は柿タンニン
2. 甘柿と渋柿の違いは渋み成分が舌に溶けるかどうか
3. 柿の甘渋は4種類に分類できる
4. 甘柿の発祥は日本
渋みの正体は柿タンニン
柿の渋みの正体はポリフェノールの一種、柿タンニンです。
ポリフェノールは渋い。これは塩がしょっぱいのと同じことです。
甘柿と渋柿の違いは渋み成分が舌に溶けるかどうか
柿に甘柿と渋柿があることはよく知られています。
甘柿は食べたときに渋みを感じない柿のことですが、
じつは甘柿も未熟で青い状態のうちは渋みがあります。
甘柿は成熟すると渋み成分が変化し、舌に溶けなくなります。
そのため甘柿は食べても渋みを感じません。
つまり、甘柿と渋柿の違いは渋み成分が舌に溶けるかどうかです。
柿の甘渋は4種類に分類できる
甘柿は完全甘柿と不完全甘柿の2つがあります。
完全甘柿は成熟すると種が入っているかどうかに関わらず渋みが
抜ける柿です。
それに対して不完全甘柿は種が入っている場合だけ
渋みが抜ける柿です。不完全甘柿は種が入ると果実に「ゴマ」と呼ばれる
黒っぽい斑点ができ、渋みが抜けます。ただし、柿に入っている種の数が
少ない場合、果実の一部に渋みが残ってしまうことがあるようです。
完全甘柿の品種は富有、次郎、太秋などがあり、不完全甘柿には西村早生などがあります。
サカヤ農園で栽培している早秋、麗玉、輝太郎も完全甘柿です。
ここから話が少しややこしくなりますが、じつは渋柿にも
完全渋柿と不完全渋柿の2種類があります。
不完全渋柿は種が入ると果実にゴマが入るけど、渋みが抜けない柿です。
完全渋柿は種が入るかどうかに関わらず渋柿のままで、ゴマもできない柿です。
不完全渋柿の品種は平核無、刀根早生などがあり、完全渋柿には西条や市田柿などがあるようです。
甘柿の発祥は日本
柿は東アジア原産で、日本へは奈良時代に中国から伝わったといわれています。
その時伝わった柿は渋柿です。柿は本来渋柿しかありませんでした。
渋柿は渋抜きしなければそのままでは食べられません。
柿を柔らかくなるまで熟させた熟柿(じゅくし)や干し柿にして食べられていたようです。
その後、鎌倉時代に星宿山王禅寺(現在の神奈川県川崎市)で甘柿が発見されました。
これは突然変異によって生まれたもので、それが世界最古の甘柿といわれています。
その後品種改良が行われ、富有などの品種が栽培されるようになりました。
つまり、柿は東アジア原産ですが、甘柿は日本発祥です。
記事投稿者:kano-naoki