「たねなし柿」はなぜ種なし?
たねなし柿に種が入っていない理由は9倍体品種のため
スーパーなどで「たねなし柿」として流通している柿は主に「平核無(ひらたねなし)」または「刀根早生(とねわせ)」という品種です。
これらの柿は「ゲノム」と呼ばれる最小限の染色体を9組持っている9倍体の品種です。富有などの柿の多くの品種は6倍体です。
9倍体のように奇数組の染色体を持っていると種子をうまく作れなくなり、種なしの柿となります。
ちなみに、バナナに種が入っていないのも同じ理由です。
サカヤ農園のポット柿は単為結果なので種なし
サカヤ農園でポット栽培している柿は「96%種なし」と宣伝しています。
品種は「早秋(そうしゅう)」、「輝太郎(きたろう)」、「麗玉(れいぎょく)」の3つ。
これらの品種は9倍体ではありません。ですが、柿の一部の品種が持っている「単為結果(たんいけっか)」という性質によって種なしになっています。
「単為結果」とは受精しなくても果実が成長することです。単為結果によってできた果実は種なしとなります。
ポット栽培を行っている畑には近くに受粉樹(受粉させるための木)がありません。そのため、9倍体品種のように必ずではありませんが、ほとんどのポット柿が種なしとなっています。